工房で制作され、出されている絵画作品は主にリトグラフ(石版画)、タブロー(手描きの絵画)、複製画、の3種類に分類されます。これについて少し解説したく思います。
●リトグラフは100年ほど前にヨーロッパで発明された手法です。平らに磨いた石の板に、クレヨンなどの油性の画材で絵を描き、それを薬品で処理すると、水で湿らせた版面の絵柄の部分のみが油性のインキを引きつけます。ローラーにインキを付けそれで版面を転がすと絵柄にインキが乗り、それを紙に写し取ります。一色のみの事もあれば、色を重ね刷りする事もあります。それに通し番号とサインを入れ絵画作品として完成させます。
●タブローとは、板絵やキャンバス画を示すフランス語ですが、当工房では、主に水彩、カラーインキ、パステル、軟質色鉛筆などで描かれる、いわゆるイラスト作品が中心です。雑誌などに掲載するための原稿もあれば、展示や販売する為の作品も制作します。
●複製画は、上記のイラストなどを原稿として、スキャナーなどで撮影し、色の補正処理から試し刷りを繰り返し、完成したデーターに基づき版画用紙や水彩用紙に印刷、サイン入れをしたものです。最近では版画の一種として、ピエゾグラフやジグレーと呼ばれていることもあります。
これらは一見、区別がつきにくいこともありますが、出来るだけ判りやすく解説の上、用途に沿ってご提供していければと思っています。